発売前からSNSに感情的な反応 「射精責任」翻訳した村井理子さん

 孤立出産の末に子を遺棄したとして女性が罪に問われる事件が後を絶ちません。望まぬ妊娠を防ぐため、カギを握るのは男性である――。そう提唱する話題の書「射精責任」(太田出版)の翻訳者、村井理子さんに聞きました。

 今年の夏に出版された「射精責任」(太田出版)という本の翻訳をしました。発売前から、私や担当女性編集者のX(旧ツイッター)に「同意の上でセックスしたなら女にも責任がある」「妊娠を望まないならしなきゃいい」など、多くの感情的な反応が寄せられました。当たり前のことですが、セックスへの同意と妊娠への同意は同義ではありません。

著者が繰り返し訴えているのは……

 他にも匿名のアカウントから、容姿や年齢をあげつらったり、ひわいな言葉を使ったりする品のない攻撃が多く寄せられました。「射精」と「責任」という言葉の組み合わせでこうした化学反応が引き起こされた理由を考えると、社会に根づく深い男尊女卑を実感しました。

 刺激的な書名ですが、ブロガーをしている米国人の著者、ガブリエル・ブレアさんが繰り返し訴えているのは「セックスをするから妊娠をするのではない。男性が無責任な射精をした時のみ望まない妊娠に至る」という一点です。女性は排卵のタイミングを把握できない一方で、男性はどこにいつ射精するのかをコントロールできる。カギを握っているのは男性であり、男性が責任ある射精をすれば、すべての望まぬ妊娠は回避できると提案しています。

 出版のきっかけはブレアさん…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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