今冬の新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備え、政府が両方の診療・検査が可能なかかりつけ医の協力を呼びかけるなか、第2波で多くの感染者が出た福岡・沖縄両県では、十分な病院数を確保できるか見通せていない。専門家は「感染リスクへの不安から発熱患者を診ない病院が続出する恐れがある」と指摘する。
現在、発熱するなどしてコロナ感染が疑われる場合は、保健所などが開設する相談センターに電話し、専門外来を紹介してもらう仕組み。だが、インフル流行期の冬は発熱患者が増えるため、厚生労働省は9月、都道府県などに対し、10月中をめどに体制を整備するよう通知。かかりつけ医に電話相談するだけで診療・検査が受けられる仕組みに転換するよう求めた。
コロナ疑い専用入り口、検体採取で感染リスク
多くの医療機関で発熱患者の相談や診療などに対応できる体制にする狙いだが、開業医など現場の医師からは不安の声が漏れる。
福岡市でクリニックを経営する40代の男性医師は、「他の患者や職員への感染リスクを考えると神経質になってしまう」と話す。コロナ感染の疑いを想定して発熱患者に対応するため、他の患者と別に専用の入り口を作ろうとクリニックが入るビルのオーナーと交渉中だ。「政府からの補助はあるものの、多くの中小病院にとって発熱患者の動線を分けるのは容易ではない」
福岡県内の別の病院に勤める6…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル