発生後72時間「こんなことで逝くなんて」妻は年賀状とつぶれた家に

 4日夕、生存率が下がるとされる「発生後72時間」を迎えた。各地では捜索活動が続く。

 石川県珠洲市若山町。地震で自宅1階がつぶれた谷内(やち)紀明さん(79)は、捜索を終えた消防隊員らに頭を下げた。

 地震発生時、妻の悦子さん(76)は、1階の居間のこたつで書き遅れた年賀状をしたためていた。トイレに立った紀明さんはとっさに家を出て助かったが、悦子さんは逃げ遅れ、つぶれた家屋に閉じ込められた。

 4日午後、意識不明で救出されたが、死亡が確認された。

 定年間際まで珠洲市役所の職員を勤め上げた悦子さん。

 「まじめで、元気で、妻中心に過ごす生活は幸せだった。こんなことで逝くなんて」

 捜索終了まで涙をこらえていた紀明さんは、自宅を前に立ち尽くしていた。(金居達朗)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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