発生3年、公判の見通し立たず 36人犠牲の京アニ放火殺人

 京都アニメーション(本社・京都府宇治市)の第1スタジオ(京都市伏見区)が放火され、社員ら36人が死亡、32人が重軽傷を負った事件は、2019年7月の発生から18日で3年になる。無職の青葉真司被告(44)=さいたま市見沼区=がやけどの治療などを経て、殺人や現住建造物等放火などの罪で起訴されているが、裁判員裁判が始まる見通しは立っていない。

 事件は19年7月18日午前10時半ごろに起きた。

 起訴状によると、青葉被告は第1スタジオ(3階建て)に1階の正面出入り口から侵入。ガソリンをまいてライターで火をつけ、建物内にいた36人を殺害し、32人に重軽傷を負わせたとされる。

 重いやけどを負った青葉被告は、約10カ月にわたる入院治療で会話できるまでに回復。これを受け、京都府警が翌20年5月に逮捕した。事件当時の精神状態を調べるための鑑定留置を経て、京都地検は刑事責任を問えると判断し、同12月に起訴した。

 一方、弁護側も青葉被告の精神鑑定京都地裁に求めた。すでに再鑑定が終わったが、内容は公表されていない。

 捜査関係者らによると、青葉被告は「小説を盗まれた」と供述したとされる。ただ、青葉被告の名前で京アニに応募のあった小説に、京アニ作品との目立った類似点はなく、動機には不可解な点も多いという。

 裁判員裁判では、青葉被告の刑事責任能力が大きな争点になりそうだ。しかし、京都地裁での初公判の日程は決まっていない。争点や証拠を絞り込む公判前整理手続きの期日は未定のままで、関係者の協議が続いているとみられる。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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