滋賀県甲賀市出身の河合勇輝さん(27)は、入社した会社になじめず、退職後に自身が発達障害があることを知った。得意な絵で入選を重ね、現在は障害者就労支援施設で働いている。「発達障害があっても、活躍できる」。同じような困難を抱える人たちに、そう伝えたいと思っている。
自然に囲まれて育った。小さな頃から、好奇心に任せて、ひとりで山や田畑に勝手に行ってしまうような子どもだった。絵を描いたり、穴を掘ったり。何もないところにものをつくることが好きだった。
高校に入学したが、勉強は嫌い。机でじっとしていられなかった。周りからは「浮いている」「変わっている」と言われた。
絵を描いたり、粘土で物作りをしたりする創作には集中できた。高校2年の頃から画塾に通い、芸術大学をめざした。
AO入試で、京都精華大学デザイン学部に合格。一人暮らしを始めたが、洗濯ができず、同じ服ばかり着ていた。でも、芸術を学ぶ仲間たちを見て「自分より変わった人がいる。僕はそんなにおかしくない」と思えた。
グラフィックやポスターデザインなど、様々な表現手法を学んだ。卒業制作は、無数の写真を組み合わせたポスターを手がけた。
頭をよぎった死、3カ月で退職
2018年3月に卒業後、勤めた会社で困難に直面した。
周りには「普通の人」ばかり…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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