川崎市でスクールバスを待つ児童らが殺傷された事件は、子どもを守るための安全対策がいかに難しいかを改めて突きつけています。保護者にできることは。地域でやれることは――。取り組みを続ける人や専門家らに話を聞きました。
大人の指示がなくても逃げる
子どもが犠牲となる悲惨な事件が起きるたびに、これまでも地域での見守りや集団登校の推進など様々な対策が講じられてきた。
だが、今回の事件は「保護者や見守りの有無を問わずに発生した、子どもの防犯対策の想定を超えた事件だった」と、全国で地域の防犯活動の指導に携わる安全インストラクターの武田信彦さん(42)は話す。登校中の児童たちは十数秒という短時間に次々と襲われたとみられ、「1、2人の大人で子ども全員を守ることには限界がある」。
こうした無差別に人を襲うような犯罪から身を守るため、子どもたちにはどんなことを伝えられるだろうか。
武田さんが重要性を強調するのは「自分の生活圏でも犯罪は発生するかもしれないという心構えを持つこと」だ。心構えがなければいざという時に体が動かない。「日頃から自分の身をどうやって守れるかを意識して」と訴える。
例えば突然襲われるような事件では、「すぐに逃げる」ことが大事だという。危険を感じたら大人の指示がなくても、自分の判断で逃げる。不審者が見えなくなっても、助けてくれる大人がいる場所まで「逃げ切ることが大切」。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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