白いシャチは大海のどこに クルーズの最終日、乗客に姿を見せた巨体

第3回

 幻の白いシャチを追う取材も、あすが最終日だ。

 夕刻、羅臼神社を訪ねた。白いシャチに会えますように――。祈りを捧げ、白いシャチのししゅうが施されたお守りを授かった。

「羅臼沖に白いシャチが現れる」。そんな情報を耳にした記者2人が4日間にわたって現地に入り、その姿を追いました。「幻」とも言われる白いシャチに出会うことはできたのか。3回にわたって、取材の様子をあますことなくお伝えします。

 お守りは「幸守」と書いて、「しゃちまもり」と読むのだという。

 氏子の人たちからの要望で作ったもので、海面から顔を出したシャチの姿をあしらった。

 「海の生態系の頂点、シャチの力強さにあやかり、荒波を乗り越え、幸せを勝ち取れるように」

 そんな願いが込められているそうだ。

 久方ぶりに、おみくじをひいた。

 大吉。

 そして、待ち人の欄に目をやった。

 待ち人――来る

 思わず、ガッツポーズをした。

 翌日午前中のクルーズでは、野生のイシイルカの群れに出会った。白い水しぶきを激しく上げながら、海面すれすれを高速で泳ぐ姿が印象的だ。

 ただ、2時間半かけて懸命に探し続けたにもかかわらず、シャチには1頭も出会えなかった。

船長は水中マイクを降ろした

 こんな日もあるのか………

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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