室温90度。入って3分、じんわりと、全身から汗がしみ出してくる。
しばらくすると、半袖短パンの男性が現れた。持参したシラカバのアロマ水をサウナストーブにゆっくりとかけると、かぐわしい香りが室内に充満した。
男性は、持参したバスタオルを頭上で振り回した。続いて、こちらに向けタオルを上から下に、勢いよくあおぎ始めた。
すると、経験したことのない「熱波」が、体を包み込んだ。一瞬で、サハラ砂漠にワープしたかのような感覚だ。「オォゥ……」。心地よさによるため息とも、熱さによるうめきともつかない声が、おもわず口から漏れた――。
男性は、福島県いわき市の温浴施設「北投(ぺいとう)の湯 いわき健康センター」の宮野尊晴さん(39)。蒸気が満ちたサウナ室内の空気をタオルなどで循環させ、利用者の体感温度を上げる職人を「熱波師」という。宮野さんは、センターに男女15人いる熱波師の1人だ。
タオルであおぐ強さ競い……健康センターが世に知れた日
センターが熱波師を導入した…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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