和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで昨秋に生まれたメスのジャイアントパンダの赤ちゃんの名前が「楓浜(フウヒン)」に決まり、18日に同園であった命名セレモニーで発表された。
昨年11月22日にオスの永明(エイメイ)(28歳)とメスの良浜(ラウヒン)(20歳)の間に生まれた。同園では2年ぶり17頭目の赤ちゃん。すべてのパンダの名に「浜」の字が入っている。世界に広がった子孫を含めると40頭を超え、一大ファミリーとして「浜家」と呼ばれている。
今回の名前の募集には約11万件の応募があり、選考委員会が「光浜(コウヒン)」「咲浜(ショウヒン)」「楓浜」の三つに絞って4日から11日まで投票を実施。9万899票のうち「『いい夫婦の日』に生まれ、秋に色づき美しく変化する楓(かえで)のようにたくさんの人に愛され、あたたかく見守られる存在に育ってほしい」という願いが込められた「楓浜」が最多の4万1185票を集めた。
命名セレモニーは、新型コロナ対策として、普段イルカのショーなどをする施設「ビッグオーシャン」(収容約3500人)に約800人の来場者を入れて実施。パンダ母子のいるブリーディングセンターからの映像をモニターに映しながら、書道家の北原美麗さんが1・8メートル角のパネルに貼った紙に「楓浜」と揮毫(きごう)した。
体長20・5センチ、体重157グラムで生まれた楓浜は順調に成長。この日の公開身体測定では74センチ、6580グラム。飼育スタッフの品川友花さんによると、3日のひな祭りでもらった竹や木でつくったおもちゃがお気に入りだという。
「楓浜」の名で応募し、1338人の命名者の1人になった堺市の大野加菜世さんは「紅葉の季節に生まれたので『楓』という字を選んだ。孫ができたような感じ。元気に育ってほしい」と話していた。
赤ちゃんの一般公開は30日分までの事前抽選の受け付けがすでに終了している。ネットでの事前抽選で観覧整理券を発行し、1組約25人で約4分間見られる方式。(大野宏)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル