白血病で7歳の娘を亡くした女性が、小学4年になったかつての同級生たちに「精いっぱい生きる」というテーマで講話をした。闘病中もいつか学校に戻ると信じて勉強していたこと、みんなの手紙が治療の支えになったこと…。講話が実現した背景には、亡くなった後も、教員や児童が娘を“クラスの仲間”として受け入れ、家族に寄り添い続けてくれたことがあった。 【写真】「今を精いっぱい生きてね」と呼び掛ける母・添田友子さん 女性は福岡市城南区の添田友子さん(43)。次女の千歳さんは3歳で急性リンパ性白血病を発症。抗がん剤治療で寛解状態となったが、南片江小に入学した2017年の8月に再発した。九州大病院(同市東区)で臍帯血(さいたいけつ)移植を受け、18年4月に退院。復学に向け自宅で療養していたときに再々発が判明し、同年8月6日に亡くなった。学校に通ったのは1年生の4カ月だけだった。 講話は11月12、13日、南片江小4年の4クラスで行われた。同小は福岡大病院に院内学級を開設している関係で、毎年、担当教諭が学級を紹介する授業を行う。その後半で添田さんが登壇した。
「人の役に立ちたい」
添田さんは写真を示しながら、入学式でおしゃれをしたり、校庭で一輪車を楽しんだりしていた千歳さんが、入院中も勉強していたことなどを紹介。「人の役に立ちたい」と、亡くなる8日前に小児がんの子を支える募金活動「レモネードスタンド」で街頭に立ったことも伝えた。 「千歳を失った悲しみは消えません。でも精いっぱい生きたことを家族は忘れない。みんなは、いてくれるだけで宝物です。好きなこと、楽しいことをたくさんやって笑顔を輝かせてください。それが精いっぱい生きるということです」 添田さんは千歳さんの死後、三つ上の長女の参観日も学校へ行けなくなった。元気いっぱいの児童の姿を見るのがつらかった。徐々に癒えていったのは、学校が家族に関わり続けてくれたからだった。 井上亜樹校長(57)は月命日には、帰宅する姉に同行して自宅を訪れ、お参りしてくれた。10月の誕生日には級友から手紙が届き、担任が電話をくれた。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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