何かと不調が出がちな秋の肌。東洋医学では、鍼灸の施術をするとき、始めに患者の肘から手首までの皮膚に触れ、身体の状態を確認します(尺膚診・しゃくふしん)。自分で「尺膚診」をして、体調を確認してみましょう。
健康的な皮膚とは!?
「尺膚診」では、皮膚の様子、筋の張り具合、筋肉の充実度などを見るそうです。
「皮膚は、外界から身体を保護し、体温調節や皮膚呼吸などさまざまな役割を担っており、いろいろな内臓と関連しあっています。そのため皮膚が健康であるということは健康のバロメーターにもなるのです」と、源保堂鍼灸院の瀬戸郁保(せといくやす)先生は話します。
健康的な肌とはどのようなものなのでしょうか。
「肌温はほどほどに温かく、皮膚はキメが細かく、ほどよくしっとりとしていて、皮膚越しに筋肉がふっくらとしているといいでしょう。筋は硬すぎないような張り方です」(瀬戸先生)
皮膚の状態で体調をチェック
では、皮膚にどんな特徴があるとよくないのでしょうか。毎日のように患者さんの尺膚診をしている瀬戸先生がまとめてくれました。
▼ゴワゴワ・ゴツゴツ厚い肌
「皮膚が厚くて、固い、ゴワゴワしている、といった特徴がある人は冷え性タイプです。体が冷えているため、熱を体外に逃さないように皮膚が厚くなっているのです。
一般的に冬は皮膚が多少厚くなる傾向がありますが、あまりにゴワゴワしている、暖かい時期も皮膚が固い、という人は注意が必要です。温かいものを摂ったり腹巻きをするなど、冷えに気を付けましょう。また、甘いものの摂り過ぎも冷えを招くので、注意しましょう」(瀬戸先生)
▼カサカサ肌
「この季節に多いカサカサ肌の人は、血液をふくめて体内の水分が不足しているタイプです。皮膚表面の血流が少なく、皮脂などの分泌も減って、潤いが失われている状態です。また、血液が少ないと末梢まで身体を温めることができないので、冷え性も招きがちです。
鉄分の多い食事をして血液を増やし、鶏皮などコラーゲンの多い食物を摂るのがおすすめです」(瀬戸先生)
▼カサカサ肌+皺が寄る
「カサカサ肌がさらに進んむと皺が寄りやすくなります。このタイプは、体内の水分不足に加えて皮膚表面を覆っている『気』が少なくなって皮膚の表面を守ることができなくなっている状態です。『気』は、生命力ともいえ、これが減っているということは、気力が目減りしていると考えられます。
強いストレスに長期間さらされたり寝不足が続くと、『気』が不足します。睡眠をしっかりとることはもちろん、山芋・豚肉など滋養のあるものを摂る、体を冷やさないようにする、おへその下に使い捨てカイロなどを当てて温めるなどの対策を講じるといいでしょう」(瀬戸先生)
▼ボツボツ肌
「ニキビではないけれど、小さなボツボツが出るのは、新陳代謝が悪くなっているタイプ。肝臓や胃腸などが疲れていて、飲食物が十分に消化・吸収されず、栄養として変換できていない状態です。
自分の消化力をオーバーした飲み過ぎ食べ過ぎ、睡眠不足などが原因です。ボツボツ肌があって、寝ても疲れが取れないなどの自覚症状があるときは注意してください。
食事が炭水化物に偏っている可能性があります。ミネラル不足、ビタミン不足でもあるので、食事は色の濃い緑黄色野菜を食べてください。また、お肉やお魚などのたんぱく質もしっかり摂りましょう。仕事量と休息のバランスが悪くなっている人は意識して休息をしっかり取るようにしてください」(瀬戸先生)
肌荒れするとクリームを塗るなどしてしのぐ人が少なくありません。皮膚から体調の変化を読み取ることで、身体全体のケアをしましょう。
ウェザーニュース
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