旅先での思いをつづる駅ノートだが、全国的に盗難が後を絶たない。廃線や廃駅が決まると無人駅を中心に被害が増すようだ。31日には、ドラマや映画のロケ駅があるJR北海道根室線の富良野―新得間(81・7キロ)がラストランを迎える。盗まれた鉄道ファンの思いをつなぐため、「本庄市のSさん」が駅ノートの復元を続けている。
「Sさん」は駅ノートネーム。埼玉県の医師(65)で、1989年に国鉄時代も含めて国内のJR、私鉄、地下鉄、路面電車、モノレールなど全鉄路を制覇した。その後も「旅」を続けているが、心が痛むのは前回訪ねたときにあった駅ノートが消えていることだ。廃駅や廃線が相次ぐ北海道は深刻で、Sさんが把握しているだけでも駅ノートが盗まれた駅は20を超える。
富良野―新得間の廃線では、2016年8月末の台風による土砂災害で代行バスに切り替わった落合、幾寅を含め、東鹿越、金山、下金山、山部、布部の無人駅7駅が廃駅となる。
これらの駅をSさんは何度も訪れているが、昨年6月初めに訪ねた時、金山、下金山、山部、布部の駅ノートがなくなっていた。Sさんは駅ノートのある駅ではほぼ全ページを撮影しており、ノートを補充して帰宅すると、すぐに前年の22年10月に撮影したデータをプリント。6月末には冊子にした「復元版」を各駅に届けた。
映画「鉄道員」の舞台のあの駅も
東鹿越駅は、Sさんが台風被…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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