都道府県の「迷惑行為防止条例」を改正する動きが広がっている。盗撮行為を禁じる場所を、路上や電車内などの公共空間だけでなく、学校や職場といった「準公共空間」に拡大するものだ。犯罪抑止に期待する声の一方で、条例ではなく法律を改正するべきだと指摘する専門家もいる。
「被害者が困っているのに立件できないのが、もどかしかった。かたきをとる思いだった」。岐阜県警のある捜査員は言う。勤務先の会社で同僚や上司から性的被害を受けたのに、公共空間ではないため立件できない。そうした事例が近年、複数あったという。岐阜県議会は昨年末、盗撮行為の処罰対象を学校や職場、タクシーの車内など準公共空間に広げる条例改正案を全会一致で可決した。
改正に関わった県警の担当者は「同じ行為でも場所により処罰できる場合とできない場合があるのはおかしい」と話し、犯罪抑止効果に期待する。
秋田県では「学校」がきっかけだった。県警によると、中学校で起きた盗撮行為について、県条例の対象外だとして立件を見送った事例があった。その後、4月に改正条例が施行された。
学校や職場での盗撮行為を罰す…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル