静岡県熱海市で起きた大規模な土石流災害の最上流部にあった盛り土について、県は7日、業者が届け出た量を超えた盛り土が行われていた可能性があることを明らかにした。業者の届け出では、盛り土は約3万6千立方メートルの計画だったが、県は約5万4千立方メートルあったと推定している。
難波喬司副知事が記者会見し、盛り土ができた経緯や県の対応を説明した。
それによると、業者が2006年9月に一帯の土地を取得。07年3月、盛り土をするために、県土採取等規制条例に基づく施工計画を熱海市に届け出た。09年12月に工法の変更届を出し、盛り土の計画は高さ15メートル、量は3万6641立方メートルとなった。土砂の流出などを防ぐための土堰堤(えんてい)も設置するとしていた。
一方、土石流の発生後、県が10年1月の国土交通省のデータなどを用いて盛り土の量を解析したところ、約5万4千立方メートルあったと推定された。土堰堤の有無について難波氏は未確認としつつ、盛り土が計画以上の量だったと推定されるため、「土堰堤があったとしてもこの量には耐えられなかったと思う」とした。
県によると、業者は計画よりも対象面積を拡大したり、産業廃棄物を混入させたりしたため、県や市が是正指導や土砂搬入の中止要請をしていた。難波氏は「手続き違反がたくさん行われており、適切ではない行為だった」と話した。
土地の所有権は11年2月…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル