名古屋出入国在留管理局で昨年3月に亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)を巡る国賠訴訟の第3回口頭弁論が14日、名古屋地裁であった。焦点の一つだったウィシュマさんの生前の様子を記録した監視カメラ映像の取り扱いについて、佐野信裁判長は「証拠として取り調べる必要性が高い」と述べ、国に映像の一部を提出するよう促した。
対象となるのは、弁論が始まる前の証拠保全手続きで遺族側に開示された約5時間分の映像。国は「持ち帰って検討する」と答弁した。国が応じれば、映像の一部が法廷で流される可能性がある。
この日の法廷で、ウィシュマさんの妹であるワヨミさん(29)が「まだ見ていない膨大なビデオの中には、入管の報告書にない姉の苦しみが映っている可能性も高い。全てのビデオを入管が提出するようすぐに命令を出して」と訴えた。遺族側は、ウィシュマさんが亡くなるまでの2週間の様子を記録した監視カメラ映像全295時間分の提出を国に要求。これに対し、国は「必要性は認められない」と主張していた。
閉廷後の記者会見で、遺族側…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル