目が不自由な人も安全に、阪急の踏切内に点字シート 死亡事故を受け

 目の不自由な人が踏切を安全に渡れるよう、兵庫県伊丹市は県内で初めて、踏切内に点字シートを設置する。市内で利用者が最も多い阪急伊丹線新伊丹駅の北側にある「新伊丹踏切」(同市梅ノ木2丁目)を皮切りに、市内の全ての踏切で設置したいという。

 新伊丹踏切は長さ9・1メートル。遮断機の前に点字ブロックが計4カ所あるが、踏切内を誘導するものはない。視覚障害者が横断方向の手がかりにできる突起形状の横断歩道用点字シート(エスコートゾーン)を20、21の両日深夜配置し、点字ブロックと結ぶ。踏切を渡る道が市道にあたるため、約100万円の費用は市が負担する。

 今年4月、奈良県大和郡山市の近鉄橿原線の踏切で、近くに住む全盲の女性が特急電車にはねられ、死亡した。女性は白杖(はくじょう)を持っており、渡りきる前に警報・遮断機が作動し、自分がいる場所がわからなくなった可能性があることが指摘されている。

 この事故を受け、国土交通省は6月、「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」を改定。表面に凹凸のある誘導表示を踏切内に設置するなどの対策事例が盛り込まれた。

 伊丹市は阪急のほか、市内を走るJR西日本とも協議を進め、計12カ所の踏切内にも設置する方向だ。市の担当者は「(近鉄での事故が起きるまで)我々も踏切内の誘導に考えがいたっていなかった」という。

 市が県内を走る鉄道9事業者に確認したところ、こうした踏切内の安全対策は県内で例がないという。中塚久美子

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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