視力を失う難病に向き合う女性に、憧れのシンガー・ソングライターから曲が贈られた。女性がつづった歌詞にメロディーがついた。心を通わせた2人が紡いだ楽曲。作詞した女性の歌声でユーチューブ上に動画が配信された。困難を受け入れ、「できないことよりできることを見つけたい」と秘めた決意を込めた歌は、コロナ禍に希望を見いだす応援ソングとしても共感を集めている。
ある時 幼い息子が
一生懸命 私の手を
引いて 連れて行ってくれた所は
スロープでした
新曲「ありがとう」は、こんな歌詞で始まる。今年2月、愛知県田原市在住の柳田知可(はるか)さん(35)が、自身のユーチューブチャンネル「はるかの音色」に動画をアップした。
柳田さんは高校1年生で「網膜色素変性症」と診断された。短大を卒業後、念願だった保育士の仕事に就いたが、3年間で退職。進行性の難病のため、現在ではほとんど見ることができない。
歌詞の冒頭の場面は、小児科診療所で、当時2歳だった長男凌央(りょお)君(11)が、生後間もない長女侑希(ゆの)さん(8)を抱えた柳田さんを、階段ではなく、段差のないスロープに誘導した出来事を基にしている。
歌詞は、少し成長した侑希さんが階段で手を引いてくれた場面に続く。そこには、視覚障害者として、親としての気持ちがつづられている。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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