直せぬままの時計、残された夫の10年 7人死亡の京都祇園暴走事故

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屋代良樹、富永鈴香、小松万希子

 京都市東山区の祇園で2012年4月、軽乗用車が暴走し、通行人の男女7人が死亡、12人が重軽傷を負った事故は、12日で発生から10年がたった。車の暴走事故は今も各地で後を絶たない。現場近くの寺では法要があり、関係者が「事故を風化させない」と誓った。

 事故があったのは午後1時すぎ。桜が満開だった京都は、大勢の観光客でにぎわっていた。

 軽乗用車は突然、猛スピードで走り始め、大和大路通を北上し、赤信号だった四条通の交差点に進入した。横断歩道をわたっていた歩行者を次々にはね、約360メートルを暴走した末、電柱にぶつかって停止した。

 亡くなったのは40歳から77歳の男性2人、女性5人。車を運転していた男性(当時30)も死亡した。京都府警の捜査で、事故は男性のてんかんの発作が原因とされた。

 事故後、現場近くの檀王(だんのう)法林寺(左京区)には、犠牲者を弔う3体の地蔵が置かれた。10年の節目にあわせ、地蔵の後ろに「慈悲」の文字が入ったステンレス板が新たに立てられた。

 午前11時、住職の信ケ原雅文(しがはらがぶん)さん(67)が地蔵の前で読経。住民や府警の東山署長らが参列した。信ケ原さんは「慈悲」の言葉に「犠牲者に慈しみの気持ちをもち、少しでも遺族の悲しみを癒やす」という意味を込めたという。

 大阪府豊中市の岸本貞巳(さだみ)さん(79)は、妻の真砂子さん(当時68)を失った。

 毎日、台所の壁掛け時計が「…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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