寺沢知海
大阪府守口市の水道管埋設工事で、掘削中のトンネルに土砂などが流れ込んで取り残されていた男性作業員(25)が18日、救出された。直径わずか1メートル余りの空間に約47時間にわたって閉じ込められたが、意識ははっきりしているという。
トンネルは、浄水場の地下約30メートルからシールドマシンで掘っていた。横穴を掘り進めながらトンネルの壁をつくれる装置だ。
府警や守口市門真市消防組合などによると、16日午前9時半ごろ、起点の浄水場下から約960メートル進んだところで水がトンネル内に流入した。
先端部分で作業をしていた男性は、背後にあるトロッコが土砂で動かなくなり退路を塞がれた。トンネルの直径は約1・1メートル。立ち上がることもできない。一時は肩のあたりまで泥水につかり、何とか呼吸できる状態だったとみられる。
ただ、トンネルは上向きに傾斜をつけて掘り進められていたため、男性がいた先端部は水がたまりにくかった。半日後の16日夜には排水作業が終わり、救助隊員が呼びかけると、トンネルの奥から男性が応じる声が聞こえたという。
救助隊員らは手作業でトロッコの周りにあった土砂をかき出し、まる一日以上たった17日午後1時ごろ、男性の所まで通じるわずかな空間を確保。そこから飲み物やゼリー状の補給食、さらに防寒用のシートを、棒を使って届けた。
救助隊員の呼びかけに対し、男性は座った状態で「寒さはもう大丈夫」などと答えたという。
男性の健康状態を確認できた後は、周囲の土砂がさらに流出しないよう薬品を使って固めるなど、救助活動は慎重に進められた。18日午前8時20分、隙間を広げて男性を救い出した。
男性は病院へ搬送され、経過観察のため入院したが、自分で歩ける状態だという。(寺沢知海)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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