相模原市の路上で2017年12月に会社員男性(当時60)を刺殺したとして、殺人罪に問われた大石明彦被告(41)の控訴審判決で、東京高裁は23日、一審・横浜地裁の無罪判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。大熊一之裁判長は「合理的な疑いを差しはさむ余地がないほどの立証はされていない」と述べた。
検察側は犯行現場にあった被告のめがねについて事件時に落としたと主張したが、高裁は検察の主張に沿っても、被告が現場にいた時間と事件発生までには2時間近い開きがあり、犯行を示す証拠とは言えないと指摘。被害者の血がついた無施錠の自転車が被告のアパートで見つかった点についても、所有者は別の人物で、使える人物はたくさんいたと言及。そうした事実を集めても犯人とはいえないとした一審の判断に「誤りはない」と結論づけた。
被告は17年12月12日午後11時半ごろ、相模原市南区の歩道で、面識のない松岡隆行さんと口論になり、持っていた刃物で胸や腹を刺して殺害させたとして逮捕・起訴された。(阿部峻介)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル