《植松聖(さとし)被告(29)に対する弁護人の質問が続く》
弁護人「(重度障害者を殺害すると)事件前、何人ぐらいの人に話したのですか」
植松被告「50人ぐらいはいたかと思います。半分以上の方に同意や、理解をしていただいたと思います」
弁護人「それは、どういう反応をみて?」
植松被告「一番笑いが取れたからです。真実から笑いが起きたと思っています」
《なぜか2~3秒に1度、しきりに目をしばたたかせる植松被告。弁護人から「大丈夫ですか」と問われると、「よろしくお願いします」と応じ、質問は続行された》
弁護人「(事件を起こした)平成28年ごろは何があったか覚えていますか」
植松被告「(イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」)ISが暴れていました。人が戦車でひかれ、プールに沈められるのを見て、恐ろしい世界があると思いました」
弁護人「そのとき、ISの被害に遭っていたのは誰ですか」
植松被告「民間人です。殺されるべきではないと思いました」
弁護人「ほかに事件当時、起きていたことで何を覚えていますか」
植松被告「ドナルド・トランプ大統領が大統領選に出ていました」
《これまでの公判でも、知人の供述調書などから、植松被告がトランプ米大統領に心酔する様子が伝えられてきた。弁護人の問いかけが終わる前に話し始める場面もあるなど、明らかに興奮した様子が伝わってくる》
弁護人「トランプ大統領をどう思いますか」
植松被告「勇気を持って真実を話していると思います。メキシコとの国境に壁をつくるというのも、いいことかどうかは分かりませんが、メキシコのマフィアはとても怖いのは事実です」
弁護人「真実を話しているというのは…」
植松被告「かっこよく生きていると思います。すべてかっこいいと思いました。かっこいいからお金持ちなのだと思います」
弁護人「そのトランプ大統領は重度障害者を殺していいと言ってますか」
植松被告「いえ、それは私が気付いた真実だと思います」
《口調に熱が帯びる。なぜか、弁護人が話の矛先を各国の指導者に向けると、持てるだけの知識を披露しているようだった》
植松被告「おかげさまでプーチン大統領から(事件について)お言葉をいただけて光栄です」
弁護人「それはどうやって…(言葉が届いたのか)」
植松被告「事件のあとで、重大な問題だと伝わったと思います」
弁護人「ほかに、世界の指導者については?」
植松被告「(フィリピンの)ドゥテルテ大統領や金正恩、みなさん立派だと思います。ドゥテルテ大統領は覚醒剤をなくすため、売人を殺してきました。金正恩さんは、若いのに国を背負っていると、事件を起こして以降、思うようになりました」
《弁護人が再び、事件に話を戻す。やりとりのなかで植松被告は当初、「10月1日」に事件を起こすつもりだったと告白する》
弁護人「なぜ10月1日だったのですか」
植松被告「新たな門出という意味があるそうです。友人から聞きました。『1001』で、門のようになっているということだからだと思います」
弁護人「実行するのが7月に早まったのはなぜですか」
植松被告「重度障害者を殺すと周囲に言ってから、時間がたっていました。日本には年間8万人の行方不明者がいると知り、いつか誰かに殺されてしまうかもしれないと思いました」
弁護人「誰かにあなたの計画が伝わる(ことで殺される)と思ったのですか?」
植松被告「そうです」
《熱っぽく質問に答える植松被告をみて、弁護人が休廷を申し出る》
裁判長「あの、被告人、暑いですか」
植松被告「(やや、照れたように)少し、暑いです」
裁判長「上(上着)は脱いでいいですからね」
《職員が傍聴人に退廷を呼びかけ、一時休廷となる。証言台の前で刑務官にぐるりと囲まれた植松被告は、上着を脱いで涼んでいるようだった》=(8)に続く
Source : 国内 – Yahoo!ニュース