その日、岡山県内は騒然となった。
「県庁、県議会議場、県内の市役所、公共施設、各駅を爆破する」
6月19日午前8時半ごろ、県庁に届いたメールに職員が気づいた。
前日夜から19日未明にかけて、岡山、倉敷の両市役所にも爆破を予告するメールが届いていた。
県庁、市役所、大学、駅――。19日午前から20日午前にかけて、各施設で不審な段ボール箱が相次いで見つかった。
「巻き込まれたくないなら300万を届けるナリ」。そう書かれた文書が貼られていた。
職員や来庁者らは一時退避し、県警の爆発物処理班が出動した。
県警は段ボール箱を回収し、危険物ではないことを確認したとして、まもなく規制を解除した。
3日後の同月22日、県内6カ所に段ボール箱を置いたとして、威力業務妨害容疑で1人の女が逮捕された。その後、同罪で起訴された。
9月19日、岡山地裁で初公判が開かれた。
栗色の髪を肩まで伸ばした21歳の女が、被告として法廷に立ち、起訴内容を認めた。
女はなぜ、事件に関わったのか――。法廷でのやりとりから、経緯が明らかになった。
検察側の冒頭陳述や被告の供述調書などによると、被告は倉敷市で家族と暮らしていた。
高校卒業後に就職した…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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