鎌田悠
秋篠宮家の長女眞子さんと小室圭さんの結婚をめぐる一部の記事について、ニュースサイト「ヤフーニュース」は25日から26日にかけ、少なくとも4本の記事のコメント欄を非表示とする措置をとった。ヤフーは、誹謗(ひぼう)中傷などを禁じる方針に反した投稿が一定数あるなどしたためと説明している。
コメント欄が非表示になった1本は、2人が26日の記者会見で予定していた質疑応答を取りやめると伝えた記事。ヤフーニュースがテレビ局から配信を受け、25日午後7時半すぎに掲載した。同日午後9時ごろ、記事が掲載されたページ中に「違反コメント数などが基準を超えたため、コメント欄を非表示にしています」と表示され、見られない状態になった。記事には1万3千件を超えるコメントが投稿されていた。
26日午前には、別のテレビ局配信の記事もコメント欄が非表示になり、会見があった同日午後に配信された複数の記事も非表示になった。
ユーザーが記事に対する感想などを書けるコメント欄をめぐっては、以前から差別などを助長すると指摘され、ヤフーは18年以降、違反コメントを複数回投稿したユーザーを投稿停止にしている。
衆院選公示日の今月19日には、誹謗中傷やフェイクニュースなどへの対策強化として、方針に反する記事はコメント欄をAI(人工知能)の判定で自動的に非表示とする機能を導入すると発表していた。
今回の記事2本について、ヤフーは「コメントポリシーに違反する投稿が一定数に達するなどしたため、AI(人工知能)の判定により自動的に非表示となった」としている。
19日以降、今回以外の記事でもコメント欄が非表示になっている。
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東京都市大学の奥村倫弘教授(インターネットメディア論)の話 インターネット上のコメントは感情的なものが書き込まれることがあるため、議論が喚起されにくい。ヤフーはこれまでコメント欄の健全化を目指し、人の目と人工知能(AI)を活用して誹謗中傷などの違反コメントを削除してきた。対策の強化としてAIが判定して自動的にコメント欄そのものを非表示にする機能を導入したことは、違反コメントに対して個別に対応できないことの裏返しではないか。非表示の条件として違反コメント数が挙げられている点についても、少数の中傷であれば許容してしまうことになる恐れがある。(鎌田悠)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル