スイカやメロン専門の種苗会社「萩原(はぎはら)農場」(奈良県田原本町法貴寺)で、品種改良の作業が忙しくなってきた。全国のスイカの約7割が同社の種子から育っているという。スイカがよく育つこの季節、新たに交配したスイカを切って、品質を調べている。
会社を訪ねると、ブルーシートの上には約200玉のスイカが半分に切られた状態で並んでいた。あたりには甘い匂いが漂う。技術開発部長の川口英之さん(53)はスプーンで味見をしたり、皮のしま模様を確認したり。「大きさ、重さ、形、甘さ、食感。全てを調べて記録に残します」
約30年前から食べやすくカットされてスーパーに並ぶようになり、切っても崩れにくいやや固めのスイカの種子も作っている。社長の萩原俊嗣さん(65)は「食べたときのシャリッとした食感は変わらないようにしています。おいしく食べて、夏を乗り切ってほしい」と話す。(福岡龍一郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル