真冬の川でおぼれる子が…迷わず飛び込んだ 3人の連係プレーで救助

鈴木優香

 清掃現場から会社に戻る帰り道での出来事だった。ビル管理会社「朝日建物管理」(本社・大阪市北区)の3人が今月10日、福岡県大野城市内の歩道橋を下りていると、御笠川の向こう岸にいる子どもたちの姿が目に入った。護岸壁から服を垂らしていて、その先の川の中にも1人いる。

 遊んでいるのかな、と思った。だが、川の中の子はその服を一生懸命つかもうとしている。護岸壁の上にいる子も一生懸命引き揚げようとしていた。「もしかしておぼれてる?」

 3人の中で最年少の松田佳祐さん(35)が駆けだして川に飛び込んだ。「助けたい」その一心だった。

 稲冨宏さん(57)は「子どもがおぼれている。とりあえず早く来て下さい」と119番通報した。土屋孝子さん(54)は着ていたジャンパーを脱ぎ、子どもが垂らしていた服と袖同士を結んで男の子に届くようにした。

 松田さんが近づき、声をかけると、男の子はがたがた震えながら「泳げない」と訴えた。そばに寄り、護岸壁に沿って持ち上げると、男の子は土屋さんの垂らした服につかまり、凍えた体で力を振り絞って上った。

 3人の連係プレーで男の子が岸に上がってまもなく救急隊が到着した。

 16日、春日警察署から3人に感謝状が贈られると、松田さんは「男の子が助かって本当によかった」。土屋さん、稲冨さんも「低体温にならないか心配だった」「無事で良かった。ひと安心」と胸をなで下ろした。(鈴木優香)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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