会計を担当していた労働組合の年金口座から…
富士山をバックに馬の横で微笑む女性。田村純子容疑者(60)は、仕事上の立場を悪用し、6億円以上もの金を着服したとみられている。
業務上横領の疑いで1月7日に逮捕された田村容疑者。警察署に入った際には、下を向き写真で見せていた笑顔はなかった。
2018年2月まで住友重機械工業に勤めていた田村容疑者は、労働組合の会計を1人で担当。2013年12月、組合員の積み立て年金口座から5000万円を自分の口座に不正に送金し、着服した疑いが持たれている。
警視庁は、同様の手口で着服した金額は6億4000万円に上ると見ている。田村容疑者が不正に得た金を注ぎ込んでいたものとは?
馬6頭の所有には多額の費用が必要
田村容疑者は、着服した金を馬術競技用の馬の購入に充てていたという。自身のフェイスブックに掲載している画像は、ほとんどが馬と撮影されたもの。こちらの写真では、所有馬のマッシモとみられる1頭にまたがっている。
田村容疑者は少なくとも6頭を乗馬クラブに預けていたという。こうした馬の所有には、一般的にどれくらいの費用がかかるのか?
茨城県つくばみらい市にある柏乗馬クラブで話を聞かせてもらった。
「柏乗馬クラブ」山蔦幸太郎社長:
クラブによって違いはあるかと思いますけれども、(1頭あたり)20万円以上はかかってくるかと思います。最低でもそのくらいはかかるかな、毎月…
田村容疑者のように6頭の馬を持つためには、餌代や訓練費用などで月に100万円以上かかる計算になる。
また、この他にも新車で1000万円以上する高級外車「ポルシェ・カイエン」や、高級ブランド・エルメスのバッグなども着服した金で購入していたとみられている。
「私を解雇してください」というメールを残し失踪
9日、取材班が千葉県野田市にある田村容疑者の自宅を訪れると、駐車場に止まっていたのはポルシェではなく、国産高級車レクサスだった。趣味に多額の金を使う一方、田村容疑者は2019年11月頃、家賃約6万円のアパートに引っ越していたという。
近隣住民:
普通の人。明るい人でね。「ご主人と2人で越してきたんですか?」と聞いたら「いや、1人です」って言うから。
しかし、禁断の着服生活には突然ピリオドが打たれる。2018年1月、組合内の会計調査を行おうとしたところ、「私を解雇してください」というメールを残して失踪。
その後、着服が発覚し、2020年1月7日になって逮捕された。田村容疑者は調べに対して「間違いありません」と容疑を認めている。
(「Live News it!」1月9日放送分より)
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