着物姿で入信したイスラム教 「怖い」という偏見が消えた私の一人旅

 自宅のマンションの一室。家族や友人ら約15人に囲まれながら、高校教員の高雄咲さん(26)が、スマートフォンに書いてあるアラビア語を読み上げた。

 「アラーの他に神はなし、ムハンマドは神の使徒である」

 読み上げた時間は、わずか十数秒。

 昨年11月25日。26歳の誕生日にイスラム教徒になった。

 この日は母に着付けてもらった桃色の着物を身にまとった。選んだ理由は「日本人としてのアイデンティティーを忘れたくなかったんですかね?」

 大阪女学院大学に通い、3年生の時に交換留学で半年間、台湾に留学した。

 現地では、留学生のパーティーで知り合ったトルクメニスタン出身の男性と友だちになった。

 慣れない留学先で、気さくに話せた。英語でのコミュニケーションを重ね、2人で出かけるくらい仲良くなった。

 1カ月も経たないある日、みんなですき焼きを食べようと提案すると、「これは食べられない」と言われた。割り下に酒を使っているからだ、という。

 イスラム教ではアルコールが…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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