大久保貴裕
前線の停滞で降り続く大雨を受け、広島県の湯崎英彦知事は14日午後1時半、緊急の記者会見を開いた。深刻な災害が起きる危険性が高いとし、自治体から指示のあった住民は、夕方までに急いで避難するように求めた。平成最悪の豪雨災害となった3年前の西日本豪雨と同様の被害が出る恐れがあるとして「今が(避難の)最後のチャンス」と訴えた。
湯崎氏は、土砂崩落の危険度を示す「土壌雨量指数」が、県内の多くの観測点で西日本豪雨の発災直前と同レベルの数値を記録していると指摘。「どの地域で災害が起きてもおかしくない。可能性が極めて高くなっている」と述べた。
湯崎氏は会見に先立ち、県内全23市町長、広島地方気象台などをオンラインでつないだ対策会議も開いた。気象台の担当者は「14日は特に夕方から夜にかけて降水が強まる。土砂災害の可能性は時間とともに高まる」と指摘。湯崎氏は各市町長に対して、「一部の地区を除いて、まだ避難されていないと思う」とした上で、「いま避難をしていただく。今日中というよりも、この2、3時間が勝負であるとの認識を強くもっていただきたい」と語気を強めた。
気象庁によると、広島県内では14日午後2時現在、安芸高田市、北広島町、広島市安佐北区、佐伯区の4カ所の観測点の48時間雨量が観測史上最大を記録した。(大久保貴裕)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル