山崎琢也、中村純
川勝平太知事は11日の記者会見で、台風15号での自衛隊への災害派遣要請について、「対応の遅れは県としてはなかった」と述べた。県内は9月23日夜から大雨が続き、土砂崩れや断水などが発生したが、県が派遣を要請したのは26日で、対応の遅れを指摘する声が上がっている。
川勝知事は「市町から要請があって県が自衛隊に連絡する。市町から要請があがってこなかった」として、派遣要請が遅れたのは被災自治体からの要請が遅かったためだとの認識を示した。その上で、「市町が被災状況の把握に長時間を要した。連絡体制が構築されているが、大雨災害で機能しなかった可能性がある」とし、来月上旬をめどに、災害対応の検証を行うとした。
知事「番号教え合う文化ない」
静岡市の田辺信宏市長は11日の定例会見で、「(川勝平太)知事の携帯電話番号を知らない。聞いても教えてもらえなかった」と明かした。緊急時のホットラインが構築されていなかった実態が浮き彫りになった。
市長の発言は、自衛隊の派遣要請をめぐる県と市のトップ同士の連携に関する質問に対して出た。危機発生時の意思疎通について問われ、市長は「(知事とは)電話で連絡し合うという関係ができていない」と述べ、要請決定前に直接のやりとりがなかったことを認めた。
県からの派遣要請は台風による記録的大雨から3日後だったが、知事は「情報収集に手間取っていた」と市側の対応に遅れがあったとの認識を示している。これに対し、市長は県と事務レベルで協議を進めていたと反論した上で、「要請時期は適切だった」としている。
田辺氏の発言に対し、知事は同日の会見で、「災害時は組織として対応しているので、そこに連絡してもらえれば済む」とした上で、「携帯番号を教え合う文化がない。教えてくれと言われれば拒否することはない。(教えてもらえなかったというのは)虚言だ」と一蹴した。「県内首長の携帯番号はほとんど知らない」とも付け加えた。(山崎琢也、中村純)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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