「今から行く。現地調達だ」「ライオンになって、いま大暴れ中だ」「ワンナイトを見つけに」「目標は1日2人。60人くらいいきたい」と、過激な欲望をむき出しにする海水浴場の男性たち。そんな夏も間もなく終わりを告げ、やってくるのが“性病の季節“だという。「渋谷 山の手クリニック」の森本健介院長は、8月頃から来院者が増えると話す。さらに特徴的なのが、風俗などを介さない、「一般の方々の間での病気のやり取り」の増加だという。
街で聞いてみると、「サークルの先輩が元カノから性病をもらって。それで4日間いじり倒した。もらったらネタでしかない。自分とは程遠いものと思っている」「とりあえずゴムつけていれば大丈夫かな」等、どこか他人事のような若者たちの姿も。
しかし、痛みや痒みなど、症状を自覚しやすい男性に比べ、女性は気付かずに性行為をしてしまい、感染を広げてしまう可能性があるのだという。
2年前の夏、合コンやギャラ飲みをテーマにライターとして活動していたマドカ・ジャスミンさんは、9月初旬に診断を受けるまで、自覚症状はなかったと話す。発覚したのは、低用量ピルを処方してもらうために通っていた産婦人科との雑談がきっかけだったという。
「非常に多くの男性と関係を持っていたので、心のどこかに“もしかしたら“という気持ちがなかったわけではないが、女性はホルモンバランスの変化でおりものの匂いや量、色が違うなと感じることがある。これと言った症状はなかったし、“まあ、大丈夫だろう“と思っていた。でも、“そういえば、特定のパートナーがいなかったね。不特定多数と行為をしているんでしょ。じゃあ受けなさい。可能性はあるから“と言われ検査したら、数日後に電話がかかってきて、“お伝えしなきゃいけない結果が出たので“と。“あなたはクラジミアです“というに言われたとき、まさか自分が当事者になるとは思ってもみなかったので驚いた」。クラミジアは感染者が最も多いポピュラーな性病だが、女性患者の8割には自覚がないと言われているのだ。
「その頃は一言でいえば“ドクズ“だった。“狩りだ“とか言って夜な夜な男性の家に行ったり、呼び出したり。若気の至りだ。その中の誰かからもらったのかもしれないが、それ以上に、誰かに渡しちゃったかもしれない、というところに恐怖感を抱いた。ただ、望まぬ妊娠が怖かったし、ちゃんと避妊具は着けていた」。
自身の経験を活かし、現在は性病予防を訴える啓発活動も行うマドカ・ジャスミンさん「Twitterのダイレクトメッセージで、高校生から“性感染症にかかったかもしれない“という悩みをもらったこともある。高校生の場合、保険証も親御さんの名義だし、自分だけで行っても、後々わかってしまうかもしれない。親御さんはそこで“婦人科=妊娠“だと捉えてしまうかもしれないし、親世代とコミュニケーションが取れない問題や、知識の差もすごくあるなと感じている」と話す。「私も今のパートナーと一緒にレポートを書いたが、STDチェッカーと呼ばれる郵送検査キットがあり、本当に15~20分くらいで複数の種類の検査も終えてしまうくらい簡単にできる。匿名で送ることも、受け取ることもできるし、結果はスマホで確認できる。しかも検査結果が陽性だったら医療機関へのアテンドもしてもらえる。入り口としてはぜひお勧めしたい」と呼びかけた。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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