棚橋咲月
沖縄県・石垣島への陸上自衛隊配備計画について、賛否を問う住民投票の実施を求めている住民3人が石垣市を相手取り、投票できる地位の確認などを求めた訴訟の判決が23日、那覇地裁であった。福渡裕貴裁判長は「訴えは不適法」と判断し、請求を却下した。
判決などによると、市は2015年、防衛省から陸自配備を正式に打診され、市長が受け入れを表明。「石垣市住民投票を求める会」は有権者の3分の1以上にあたる署名を集め、地方自治法に基づき、市長に住民投票条例の制定を求めた。だが、市議会は条例案を否決。投票は実施されないまま、今年3月に陸自石垣駐屯地が開設された。
09年制定の市の自治基本条例には、有権者の4分の1以上の署名で代表者から市長に住民投票の実施を請求できるとする規定があった。住民側はこの規定を「市長に住民投票の実施義務を課したものだ」ととらえ、原告らに投票できる地位があると主張していた。
判決は、この規定が21年6月、市議会の賛成多数で削除されたことを踏まえ「現時点では、規定に基づき、住民投票できる法律上の地位は存在し得ない」とし、住民側の請求をいずれも退けた。
判決後、原告団は「私たちの投票の権利が奪われている。司法は目を背けないでほしい」などとする声明を発表した。(棚橋咲月)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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