研究室から描いた未来 自慢の教え子、京アニ入社直後に

 京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件。35人の犠牲者の中に、4月に入社したばかりの新人アニメーターがいた。

 「こんなの描いたよ、先生!」。そんなLINE(ライン)のメッセージが今も普通に届きそうな気がする。

 大阪成蹊大学(大阪市東淀川区)でアニメを教える糸曽(いとそ)賢志教授(41)は、教え子の笠間結花(ゆか)さん(22)の死を「受け入れられていない。まったく信じられていない」と言う。

 事件の1カ月前、京都アニメーションで働く笠間さんから、うれしいメッセージを受け取っていた。

 「笠間が担当したカットが初めて映像化したんでなんとなく報告したくなりました!」

 水泳に打ち込む少年たちを描いた映画「Free(フリー)!」。送ってもらった絵を見て、学生時代より良いものを描いている、不安がっていたけどやっていけそうだ、と感じた。「後輩にも、笠間さんが頑張ってるって自慢しますね」と返した。

 これが最後のやりとりになった。

 出会いは5年半前の冬。まだ高…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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