破産の東京ミネルヴァ法律事務所を除名処分 25億円の不正流用認定

 2020年に破産手続きを開始した弁護士法人「東京ミネルヴァ法律事務所」(東京都港区)について、第一東京弁護士会(一弁)は19日、ミネルヴァを17日付で除名の懲戒処分にしたと公表した。一弁は、金融機関から回収した過払い金約30億2千万円のうち、ミネルヴァが約25億4千万円を依頼者に返さず不正に流用したと認定した。

 除名は、弁護士・弁護士法人の身分を失わせる最も重い処分だが、ミネルヴァは既に活動実態がなく、事実上の影響はない。

 ミネルヴァは、過払い金の返還請求や、B型肝炎の給付金請求などを全国規模で手がけていた。だが、依頼者から、連絡がつかないなどの苦情が相次ぎ、一弁がミネルヴァの破産を申し立て、東京地裁が20年6月に破産手続きの開始を決めた。

 一弁によると、ミネルヴァの運営では、事務所のネット広告を担っていた広告業者らが事務所に事務員を派遣。ミネルヴァの名義を使い、電話相談や契約書案の作成などの法律業務まで担っていたという。

 ミネルヴァの代表弁護士を務めていた男性は、一弁の調査に「事務所は業者に実質的に支配されていた。預かり金は業者に広告宣伝費などの名目で支払われ、依頼者に返金できなかった」などと説明。一弁も、業者による支配を認定した。

 一弁の永塚弘毅副会長は「非違行為があったことを重く見て弁護士会として懲戒処分をした」とした上で、「事案を厳粛に受け止めて再発防止に努める」と話した。遠藤隆史

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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