「情報が明かされ、ストーカー被害を受けた」「いつ知り合いにバレるんだろう」……。
官報に載った破産者の情報を転載したデータベースサイトをめぐり、こんな訴えが相次いでいる。
個人情報保護委員会に届いた破産者らの声(一部)「DV被害を受けているので住所が公表されると問題」「詐欺に遭い仕方なく破産した。仕事に差し障りがある」「内定先に知られると就職できなくなる」「震災の影響で個人再生を選んだが、転職先に知られるのは時間の問題。もうおしまいだ」
事態を重く見た政府の個人情報保護委員会は、このサイトの運営者に停止命令を出した。
これに対して、運営者側は「納得できない」として命令の取り消しを求めている。東京地裁で6月16日、その裁判の第1回口頭弁論が開かれた。
破産者情報の転載に対して厳しい批判もある中、なぜそうまでして争うのか。運営者の40代男性は面会した記者に、4時間にわたってその理由を語った。
「15年分のデータ公開、対象は数百万人」
運営者の男性は、神奈川県で2016年から医療データの分析会社を営む。サイトは同社が20年から運営してきたが、今年からは自らが代表を務める政治団体に代わったとする。個人情報保護法に反対する政治家を支援するため、1月1日に立ち上げて同県選挙管理委員会に届け出た。多くの批判を浴びながら、なぜサイト継続にこだわるのか。
――このサイトを始めた理由は。
返すつもりがないのにお金を借りまくり、弁護士に相談して自己破産する、というようなあくどい破産者がいると思っているからだ。安易に破産を認めるべきじゃない。一般の人は官報なんて見ないからね。だから、サイトを作って官報情報を転載して公開し始めた。
――そんな不誠実な破産者は少ない。仕方なく破産した人の情報がさらされている。
じゃあ、何で破産者情報を官…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル