破裂音で「不自由展」事実上中止へ 主催団体「再開を」

 8日午前9時半ごろ、名古屋市中区栄4丁目の市施設「市民ギャラリー栄」で郵便物の開封時に破裂音がする事件があった。名古屋市は「安全上の観点」から11日まで施設を臨時休館すると決めた。国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で一時中止になった企画展「表現の不自由展・その後」出展作品の展覧会が6~11日の日程で開かれていたが、展覧会は事実上の展示中止となる。

 愛知県警中署によると、破裂音がしたのは施設の7階で、展覧会会場は8階。当時は午前10時の開場前で、8階には入場を待つ人たちがいた。ギャラリーを管理する市文化振興事業団の事務室がある7階で、郵送された茶封筒(縦約23センチ、横約12センチ)を職員が開封したところ、破裂音が10回ほど続いた。

 捜査関係者によると、爆竹とみられ、周囲に黒い粉が散乱したという。封筒は同ギャラリー宛てで、不自由展中止を求める内容の文書が添えられていたという。職員のほかに会場警備の警察官もいたが、けが人はなかった。県警などはすぐにギャラリーを封鎖し、来場者全員を避難させた。市施設に対する威力業務妨害の疑いで捜査している。この建物には同市中区役所も入っており、中区役所は通常業務を続けた。

名古屋市「警備で対応できるレベル超えた」

 市は、休館の理由について「警備を強化して対応できるレベルを超えた実力行使事案で、けがの発生は十分あり得た。重く受け止めて休館の対応をとった」とする。11日まで休館する判断については、「展覧会の期限だから」と説明した。

 休館で展覧会は事実上の中止となる。市担当者は、「非常に心苦しい。2日間は開催できた。警備も十分に対応した」と話した。

 河村たかし市長は8日午後…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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