社会人の8割が「学生時代に戻りたい」 理想と現実のギャップが大きい?(THE PAGE)

 情報サイト運営会社が行った調査によると、社会人の8割以上が学生時代に戻りたいと回答しているそうです。社会人は時間がないことに加え、現実と理想のギャップが大きいことが原因とのことですが、この状況についてはどう考えればよいでしょうか。

 メディア事業などを運営するベースメントアップスは、退職などに関する情報をまとめたサイトの閲覧者235名に対して、学生時代に戻りたいかというテーマでアンケート調査を行いました。結果は「とても戻りたい」が61%、「少し戻りたい」が21%で全体の8割以上が学生時代への回帰願望を持っていることが明らかとなりました。戻りたくないというのはわずか8%ですから、これは大きな差といってよいでしょう。

 昔から社会人になると一定割合の人が学生時代に戻りたいと考えるものでしたが、消極的な希望者も含めて8割というのはかなり高い数字です。

 調査の条件はまったく異なりますが、就職情報を扱う企業が2017年に実施したアンケート調査では、「学生時代に戻りたい」と考える、いわゆる「大学ロス」になったことがあるかとの問いに対して、「はい」と回答したのはわずか28.8%でした。大学ロスになったことがあるかという問いですし、母集団も異なりますから、同じ条件で比較はできませんが、大きな違いといってよいでしょう。

 もっとも、大学ロスになったという人の理由は大半が、休みが欲しい、自由な時間が欲しい、仕事がキツイといったものですから、今、学生に戻りたいと考えている新社会人と比較して大きな違いはありません。

 「最近の新社会人はすぐに会社を辞めてしまう」などとよく言われますが、統計的には新社会人の行動に大きな変化はなく、入社後3年以内に会社を辞めてしまう新人の割合は過去30年間にわたって同じレベルで推移しています。今回の調査で学生時代に戻りたいと回答した新社会人も時間をかけて、会社の生活に馴染んでいくのかもしれません。

 ただ、実際に会社を辞めてしまうという行動に移すのかはともかくとして、学生と社会人との間での心理的なギャップが大きくなっているのだとすると改善の余地があります。会社での仕事を事前に知ってもらうインターン制度が充実している企業も増えていますが、企業の側はタテマエばかり説明せず、本当の仕事の様子を伝える努力が必要でしょう。一方、学生の側も、会社の一方的な説明だけで納得せず、本当のところ仕事の様子はどうなのか主体的に調べるという姿勢が求められます。

(The Capital Tribune Japan)

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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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