社会保障給付費　初の１２０兆円超え　過去最高を更新（産経新聞）

　国立社会保障・人口問題研究所は２日、年金や医療、介護などの社会保障給付費の平成２９年度の総額が１２０兆２４４３億円に上り、過去最高を更新したと発表した。前年度に比べ１兆８３５３億円（１・６％）増えた。研究所は高齢化に伴う要介護認定者数の増加などが要因と分析している。

　社会保障給付費は、主に税金や保険料で賄った費用の総額で、国民の自己負担（窓口負担）は含んでいない。対国内総生産（ＧＤＰ）比は２１・９７％。前年度比で０・０９ポイント低下した。国民１人当たりの社会保障給付費は１万６０００円増の９４万９０００円だった。

　分野別では「年金」が４５・６％を占め５４兆８３４９億円、「医療」は３９兆４１９５億円（３２・８％）、「福祉その他」は２５兆９８９８億円（２１・６％）だった。「福祉その他」のうち介護対策は１０兆１０１６億円（８・４％）。伸び率では子育て支援の拡充などもあり「福祉その他」が３・１％となり、「医療」は１・６％、「年金」は０・８％にとどまった。