社民党は22、23両日、都内で党大会を開く。党首選を行い、立憲民主党が提案した合流への対応も議論する。党内には合流協議のため又市征治党首の続投を望む声があるが、又市氏は高齢で体調不安を抱える。立民には、社民との合流による「左傾化」を危ぶむ向きもあり、前身の社会党結党から70年超の老舗政党は漂流している。
■手術明け又市氏「激務こなせぬ」
党大会は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、約2時間短縮して行う。吉川元・幹事長は20日の記者会見で「重要な大会だ。時間の短縮を図りながら必要な議論を行う」と述べた。
焦点は党首選だ。党内には合流協議に当たってきた又市氏の続投を求める声があり、本人も「お前が(やれ)、といわれたら否定できる話でもない」と含みを持たせる。ただ、75歳の又市氏は昨年、肺がんの手術を受けており「党首の激務をこなせない」と漏らす。
平成30年の前回党首選では、党首の吉田忠智参院議員が当時、非議員だとして出馬を固辞し、又市氏がやむなく引き受けた。その又市氏も昨夏の参院選に出馬せず、今や非議員の身だ。
参院選では比例代表の得票率2%をクリアし、何とか政党要件を満たしたが、瀬戸際の状況は変わらない。党内には「自然消滅しないためにも立民と合流すべきだ」との声がある一方、同じ左派政党とはいえ「理念や政策が一致しないものはやれるわけがない」との反発もある。
■「左派政党」「福島氏アレルギー」
合流を呼びかけた立民も複雑だ。幹部は「社民は地方組織が充実しており、一緒になれば選挙は強くなる」という。しかし、立民関係者は「国民民主党抜きで社民とだけ合併すれば、本当の『左派政党』になる」と不安を隠さない。別の立民関係者は、社民の「顔」である福島瑞穂副党首について「お騒がせの人物で、いろいろ面倒だ。福島氏抜きなら合流してもいい」とまで言い放つ。
社民は党大会を経て立民との協議を本格化させる。どちらの道を選ぶにせよ、「55年体制」の一翼を担い、かつて政権にも参画した党にとって苦い決断となりそうだ。
(中村智隆)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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