祖母「後悔と申し訳なさでいっぱい」 2歳女児熱中症死の公判で

 大阪府富田林市で2022年6月、2歳の女児が自宅のベビーサークル内で熱中症で死亡した事件で、女児の手足を粘着テープで縛ってサークルに閉じ込めたとして、保護責任者遺棄致死と逮捕監禁の罪に問われた桃田貴徳被告(52)の裁判員裁判の第3回公判が21日、大阪地裁堺支部であった。亡くなった小野優陽(ゆうは)ちゃんの祖母で、桃田被告と内縁関係だった小野真由美被告(47)=同罪で起訴=の証人尋問が行われた。

 小野被告は冒頭、弁護人に優陽ちゃんへの思いを聞かれ、「後悔と申し訳なさの気持ちでいっぱい。責任が一番あるのは私です」と謝罪した。

 小野被告によると、20年1月に優陽ちゃんを両親から引き取った後、実子と同じように子育てしようとしたが、機嫌が悪いと長時間泣き続けるなどしたことに悩んだという。相談した支援機関の指示で、目を離す時にはサークル内に入れるようになり、その後、優陽ちゃんがサークルを乗り越えたため、テープで手足を縛るようになったという。

 桃田被告は初公判で、「養育者でなかった」などと無罪を主張している。桃田被告の育児への関わりについて、小野被告はサークルの改造を手伝ってもらったが、関与は薄かったと説明した。

 両被告らが22年6月27~29日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行くために外泊した際は、出かける前に弁当やパン、おむつなどを買い、同居する四男(17)に予定を伝えていたとした。

 検察側が提出した四男の供述調書では、四男は両被告が外泊する際、優陽ちゃんを置いていくことは知らされず、28日夜に物音を聞いて初めてサークル内にいる優陽ちゃんに気付いたという。この点について小野被告は「知らないというのは不思議」と述べた。

 この日は解剖医も出廷し、検察側の質問に対し、優陽ちゃんは亡くなる前、半日以上は水や食べ物を与えられていなかったと指摘。発育状況などから「育児放棄をうかがわせる」と述べた。

 小野被告の裁判は1月から始まる。

 検察側の冒頭陳述などによると、事件当時、優陽ちゃんは両被告、小野被告の四男、五男(7)と同居。両被告と五男は6月27~29日に外泊し、四男が29日午後4時ごろ、優陽ちゃんが倒れているのを見つけた。(前田智、井石栄司)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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