平和を願う思いを、いかにつないでいくか――。爆心地からほど近い長崎市浦上で生まれ育ったフリーアナウンサー前田真里さん(42)にとって「平和」は、祖父母から託された、答えのない問いだという。生前に語られることのなかった体験をたどり、向き合い続けている。
《高校生のとき、放送部で被爆者のラジオ番組を作った》
偶然、被爆者の方が出演するテレビ番組を見ました。お姉さんが語り部なんですけど、妹2人は一切しゃべらないんです。すごく違和感を持って。「お話を聞いてラジオ番組を作りたい」と、妹の吉山裕子(よしやまひろこ)さん(被爆時19歳)、3歳下の昭子(あきこ)さん宅に伺いました。
いつも手作りのシソジュースを出してくれて、お手伝いもしたりして。孫みたいに接してくれました。でも、被爆の話になると、泣きながら語るんです。
裕子さんは爆心地から1・2キ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル