6畳とキッチンの1Kに、仲間と持ち寄った新旧のコレクションを詰め込んだ「辞書部屋」をつくった。辞書の海を自在に泳ぐのは、「辞書マニア」の校閲者、見坊行徳(けんぼうゆきのり)さん(38)。辞書と言葉のいまを聞きました。
――今春、三省堂編修所との共編著で「三省堂国語辞典から消えたことば辞典」を出版しました。祖父で辞書編纂(へんさん)者の見坊豪紀(ひでとし)(1914~92)が世に出した「三省堂国語辞典(三国(さんこく))」。その各版から、時代とともに削除されていった言葉を紹介した本です
祖父が世に出した「三国」から消えた言葉
三国の前身の「明解国語辞典(明国)」が生まれたのが43年。その明国の改訂版(52年)から、三国8版(2022年)までに「消えた」言葉から厳選しました。面白いものを書き出していったら大量で、「こんな言葉もあったの?」と。どれもほんの数十年前、我々の親世代が生きて使っていた言葉です。
――「ア式蹴球(しゅうきゅう)」「BG」「赤電話」「翔(と)んでる」「MD」……今では耳慣れない言葉や懐かしい言葉が並びますが、時代とともに削除されていったのですね。版ごとの収録語彙(ごい)の変化から、どんな時代の変化が見えましたか
戦後になって、戦争関係の言葉がかなり削られています。明国改訂版が出たのが52年で、さらに三国初版の出版が60年。この2版で徹底的に削られている感じがします。
わかりやすいのは明国改訂版…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル