祖父の介護で大学院退学、同級生は就職 孤立した自分が今できること

 「友達の誘いを断っていたとか、ぼくもそういうことあったよな、と思い出しながらお話を聞いていました」

 「自分はヤングケアラーなのかわからないと思うこともあるけれど、ほかの人の話を聞いて自分の立場を考える機会になった」

 7月、大阪府枚方市の大阪歯科大牧野キャンパスで、ヤングケアラーとして家族をケアした経験者や支援者でつくる「ふうせんの会」が当事者のつどいを開いた。

 会場に集まった約20人が輪になり、Zoomでオンライン参加した人も加わって、一緒に語り合った。

 語り合いの前には、小学生のころから精神疾患のある母を支えてきたという大学生の女性が経験を話す時間もあった。

ケアラーの縁が人生を切り開くきっかけに

 会では2カ月に1度、こうしたつどいを開いている。つどいで発言する・しないは本人に任されている。聞いているだけでももちろんOKだ。

 ふうせんの会は2019年12月に発足し、朝田健太さん(35)や、ヤングケアラーの調査や研究をしている大阪歯科大教授の濱島淑恵さん(51)らが運営する。

 朝田さんは大学生だった22歳の時から、同居していた認知症の祖父を約10年間介護していた。大学院に進んだが、祖父の見守りや介助が増え、退学した。同級生が就職して働く中、自分は日々、介護を担う状況に悩み、孤立した時期もあった。今は経験を生かし、社会福祉士として働いている。

 さまざまな状況で家族を支え…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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