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新型コロナウイルスの感染拡大が全国で続いていて、新規感染者数は18日午後9時半時点で2201人と過去最多を更新しました。神奈川県では226人と、初めて200人を上回っています。箱根など人気の観光地を抱える神奈川県ですが、外出自粛やGoToキャンペーンの対応はどうするのでしょうか。神奈川県・黒岩祐治知事に話を聞きました。 (Q.神奈川県の新規感染者が過去最多となった原因はなんだと思いますか?)
神奈川県・黒岩祐治知事:「私も聞いてびっくりしました。強い危機感を持っています。神奈川だけではなく、全国的な課題ですので、専門家の分析は必要ですが、新型コロナ対策分科会の尾身茂会長も『ふんどしを締めなおさなくてはいけない』と話していて、そういった面もあると思っています。イタリア在住の友人から来たメールによりますと、イタリアも7~8月ごろ、全国で一日に新規感染者が1500人くらいに抑えられていた時期があったが、今は急増して3万人だといいます。日本もそうならないように止めるギリギリのところに来ているという感じがします」 (Q.GoToトラベルに関して「変える考えはない」と話していましたが、18日の感染者数を見ても考えは変わりませんか?)
神奈川県・黒岩祐治知事:「悩ましい問題であることは間違いないです。しかし、皆さん旅行の仕方をわかっていると思います。7月22日にGoToトラベルが始まりました。あの時は感染者が増えつつあった時期で『どうしてこんな時にやるんだ』という声がありましたが、その後の感染者の具合を見ると、一時期は上がりましたが、その後に下がってきました。つまり、GoToトラベルによってどんどん感染者が増えたということではなかったということです。神奈川県も旅館やホテル、飲食店などの受け入れ側に、感染防止対策取組書の掲示をお願いしています。どういう感染防止対策をしているかをしっかり打ち出して頂いて、見える化し、それを利用者が選ぶということです。それと共に利用する側が感染防止対策をしっかりやるということをずっとやってきました。ですので、私はGoToトラベルが感染爆発につながっていると思っていません。これからも徹底用心しながらGoToトラベルをやっていくということが、感染防止対策と経済を両立させるためには重要だと思います」 日本医師会の中川俊男会長は18日、「(GoToトラベルが)急増のきっかけになったことは間違いないと思っている」「今週末の3連休は“秋の我慢の3連休”として頂きたい」と話しました。 (Q.「我慢をしてもらいたい」ということについて、どう受け止めていますか?)
神奈川県・黒岩祐治知事:「これは何を我慢するかという問題です。コロナとの闘いは当初、徹底な我慢・自粛をして『皆さんこもってください』『人とは接触しないでください』という形をやってきました。結果的にそれで感染者が減りましたが、経済を回していかなくてはいけないので、いつまでも続けるわけにはいきません。経済と両立するなかで、何を我慢するかという時に、私は“会食の場”が非常に重要だと思っています。会食の場で、どうしても楽しくなって皆でわっとやってしまうことが一番大きな感染原因になっていると思います」 (Q.GoToイートについて、政府は5人以上は対象外とする方向で検討するよう自治体に要請しました。2人でも5人でも会食中の感染リスクが高いことは明らかですので、例えば、しばらくの間、GoToイートは1人に限定にするといった思い切った対策を取る考えはありますか?)
神奈川県・黒岩祐治知事:「神奈川県はマスクをしながら会食することを呼び掛けています。私も実践していますが、これは慣れると逆に気が楽です。人数で絞るということは、私には理解できない所があります。例えば、4人以下なら安全で、5人以上だったら危ないのかと言われてもよくわかりません。皆さん、外を歩いている時はマスクを見事に徹底しています。ところが、会食が始まるとマスクを外してしまいます。人数を制限するよりも、マスクをしたまま会食をすればかなり大丈夫になると私は思います。マスクをしながら会食をするのは鬱陶しいと最初は思われるかもしれませんが、やってみてください。これは本当に安心につながります」 (Q.マスクで会食をする以外の行動の変容を求めていくところはありますか?)
神奈川県・黒岩祐治知事:「原点に立ち戻るということです。我々は『MASK』を推奨しています。Mはマスクをつけましょう。Aはアルコール消毒をしっかりやりましょう。Sは遮蔽、アクリル板などで遮蔽しましょう。Kは換気・距離・加湿をしっかりやりましょう。これは感染防止の基本中の基本です。これに加えて具体的な方策として、マスクを使った会食などをやりながら、感染防止を徹底的にやりながら、新たな日常生活を楽しむといったことをやって頂ければ、なんとか踏みとどまれると確信しています」 (Q.マスクをして会食するといった行動変容は広がっていますか?また、さらに広げるための策はありますか?)
神奈川県・黒岩祐治知事:「マスク会食の注目度は非常に高いです。神奈川県はこれを広めるために、ありとあらゆることをやっていきます。すでに、どんな風にすればいいかが分かる動画を作っています。そしてこれから、色んなお店に対してチラシを作ったり、様々なキャンペーン活動を行っていこうと思っています」 (Q.神奈川県の入院患者は402人(重症38人)、病床利用率は20.7%となっています。時短営業や休業要請については、どう考えていますか?)
神奈川県・黒岩祐治知事:「医療提供体制については、14日に医療アラートを出して、今まで650床用意していたところ、1100床まで拡大するという作業に入っています。皆さんが受けられる医療体制をしっかり守っていこうとしています。かつて緊急事態宣言のなかに、時短営業や営業自粛をやりました。あれをやったら必ず効果があるだろうということはわかっています。ギリギリまで行ってしまったら、やらざるを得なくなると思いますが、何とかその前で踏みとどまりたいという思いが非常に強いです。踏みとどまるための大きな方策の一つがマスク会食です。お店の皆さんも考えてみてください。時短営業・営業自粛で大丈夫ですか。お客さんに『マスクをしながら会食をしてください』とお願いをして、お客さんもやるといったなかで、感染が広がらない形での営業活動を続けられる。このギリギリのところを共に歩んでいきたいと強く思っています」 (Q.仮に感染者が増えていった場合、ブレーキをかけなくてはいけない境目は考えていますか?)
神奈川県・黒岩祐治知事:「神奈川県は現在、ステージ2という段階です。感染がさらに拡大して、最大のステージ4まで行けば、政府も緊急事態宣言という形で、かつての道を歩まざるを得なくなるかもしれません。しかし、その前にやれることを徹底的にやっていって、皆さんと共にどうにかして食い止めたい。そのギリギリのところに来ていると思っています」 (Q.マスクというだけで本当に大丈夫なのかと不安を抱えている人もいると思いますが、そういった人に対してメッセージや施策はありますか?)
神奈川県・黒岩祐治知事:「不安は皆さん思っていらっしゃる。しかし、日本人はマスクの使用率はすごいです。街を歩いている人も、ほとんどの人がマスクをしています。そういう意味で非常に意識が高いということです。しかし、会食の時は外して喋ってしまう。そこが危ないということです。それに気付けば、何とか不安を乗り越えていくことができる。このことを普及させていきたいと思っています」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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