神奈川県庁で使われていたハードディスク(HDD)が、データの消去が不十分なままネットオークションを通じて転売された問題で、県は21日、所在不明だった9個すべての回収を終えたと発表した。19日に5個を落札者2人から回収したのに続き、21日に残り4個を別の落札者から回収した。この落札者は、県に「データの復元はしていない」と説明したという。
県によると、4個の落札者は関東圏の人物。19日に県職員が直接回収した2人の落札者と同様に、オークションサイトを運営するヤフー(東京都千代田区)が18日に9個の落札者に送った回収への協力を呼びかけるメールを見たという。21日に県に連絡し、県庁に4個を持参した。1個は画像データなどの保存に使い、3個は未使用という。
今回の問題では、HDDのリース元の富士通リース(同)からデータ消去作業を引き受けたブロードリンク(東京都中央区)の元社員(51)=別のHDD窃盗容疑で逮捕=が、県庁から運び込まれたHDDの中から18個を持ち出し、ネットオークションに出品。うち9個は、落札者の1人が県に対してHDDの流出を指摘するとともに提供。県は今月6日に事態を公表し、所在不明の9個を捜していた。(茂木克信)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル