窃盗罪などで実刑が確定した男が6月、刑務所収容前に神奈川県愛川町の自宅から同県横須賀市まで逃走した事件で、横浜地検は6日、事件の検証結果をまとめ、公表した。検察の組織的対応や警察への情報提供が不十分だったため、約4カ月収容できなかった上、逃走を許したことを問題視する内容。竹内寛志次席検事は会見で「体制と準備が不十分であったと言わざるをえない」と語った。
検証によると、地検の事務官5人と応援要請に応じた県警厚木署員2人の計7人は6月19日午後1時5分ごろ、小林誠被告(43)=公務執行妨害罪などで起訴=の自宅アパートを訪れた。事務官2人と署員1人が2階にある室内に入ると、寝ていた小林被告が目を覚まし、「支度があるから外に出ていろ」などと怒鳴って包丁を振り回した。3人が外に出ると、近くの車で逃走。包丁を持っていたため、外の4人はすぐ対応できなかったという。
逃亡を許した原因について、県警への情報提供や打ち合わせが不十分だった上、防刃チョッキなど抵抗を想定した装備がなかったことを準備不足と指摘した。
2月8日に東京高裁の実刑判決が確定した後、約4カ月間収容されていなかった点については、「明確な対処方針を策定しないまま今回の収容当日を迎えた」と指摘した。地検から地元自治体への情報提供が逃走の約3時間後だった点については、小田原支部長から本庁への報告に約2時間かかったことや、地検が関係機関の危機管理窓口を事前に把握していなかったことを理由に挙げた。
一連の問題を受けた再発防止策として、マニュアルの整備▽警察を含めた事前の打ち合わせの徹底▽装備品の充実・強化、などを挙げた。地方自治体との間の緊急連絡体制も構築するとしている。
地検は8月6日付で、前沢康彦…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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