神戸市立東須磨小学校で「教員間いじめ」などがあった問題で、メディアでは、問題行為の場面だとする動画を顔部分にモザイクをかけて報じている。
ツイッターでは、「いじめではなく犯罪だと思う」「(加害者の)教員4人の実名報道を早くすべき」といった反応が相次いでおり、中には、「関係者」を名乗り、加害者4人の名前と顔を特定したとする真偽不明の情報を発信する人物も出る事態となっている。
■周囲から「あはははは!」との声が響く
「ごめんなさい、僕はもう辛いのは好きじゃないんです!」。被害者の20代男性教員はこう叫ぶが、加害者の30代男性教員が羽交い絞めにして押さえ、周囲から「あはははは!」との声が響く。
被害者は、「もうアカン、アカン、嫌だ!」と泣き声になるが、周囲が「はよ、はよ、はよ」とけしかけ、もう1人の加害者の40代女性教員がスプーンで激辛カレーを口に突っ込む。すると、周囲から「ヤバい、ヤバい、死んだ?」との声が漏れ…。
これは、テレビ各局の情報番組などで流れた50秒ほどの動画だ。2018年9月の放課後に校内の家庭科調理室で起きたといい、映像を撮ったのは別の教員らしい。顔にはモザイクがかかっている。
東須磨小で18年から繰り返されたハラスメント行為は、次第に具体的中身がはっきりとしてきた。
報じられた別の写真では、被害者は、激辛カレーを目に擦り付けられたような姿が映っていた。このほかに、加害者の1人の30代男性教員が、被害者が買った新車の屋根に土足で乗る様子の写真もあった。やはりモザイクがかかっている。
また、加害者による行為として、携帯電話をロックして使えなくする、すねに粘着テープを張って毛をはがす、さらには、加害者の1人が授業中に激辛カレーの件を面白そうに児童に話したといった情報も報じられている。
「いじめではなく、犯罪だと思う」
今回の問題では、教育現場の隠蔽体質とも言われかねないようなことが次々に報じられている。
被害者は2019年6月ごろに、加害者からコピー用紙の芯で尻を叩かれ、尻にできたミミズ晴れを校長に見せていたが、学校側は、市教委への報告でこのことを伝えていなかった。市教委は、校長の処分も検討しているという。
また、学校がハラスメント行為を初めて把握したのはこのときとされたが、被害者は18年のうちに前の校長に相談していたといい、市教委には報告されていなかったそうだ。
神戸新聞の19年10月8日付ウェブ版記事によると、市教委が開く予定の9日の記者会見で、校長が経緯などを説明する見通しになった。
しかし、ツイッター上やネット掲示板などでは、教育現場などへの不信感が募っている模様で、加害者へのバッシングも強まっている。
「刑事告訴になれば実名は嫌でも出る」との声もあったが、「いじめではなく、犯罪だと思う」「懲戒免職で教員免許も剥奪してほしい。顔も名前も隠す必要がない」「教員4人の実名報道を早くすべき」などと書き込まれている。
また、ネット上では、関係者らしき人が加害者4人を特定したとして、根拠も示さず、名前や顔写真が次々に晒されるまでになった。メディアで出た映像や卒業アルバムなどの写真から、具体的な行為についても加害者を特定したとする真偽不明の情報が出回っている状況だ。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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