神戸の駅に残る阿部詩選手の小さな手足 あの3選手も

鈴木春香

 神戸市営地下鉄の三宮・花時計前駅の壁には、たくさんの赤ちゃんの手形と足形が並んでいる。20年前、海岸線の開業を記念して市が公募した2000年生まれの子たちのものだ。その一つがいま、ひそかに注目を集めている。

 小さな手形と足形の脇に書かれた名前は「阿部詩」。神戸市出身。今回の東京五輪で柔道女子52キロ級を制し、兄の一二三選手とそろって金メダルを勝ち取った。畳を踏みしめ、強豪をねじ伏せた手足は、このときはまだ長さ6センチと8センチほどでかわいらしい。ともに並ぶほかの手形足形と比べても、心持ち小さく感じる。

 「すごい。本当にここにあるんだ」。駅では、うわさを聞きつけて訪れた人たちが、記念に写真を撮っていた。今回の活躍で、ちょっとした人気スポットになりつつある。

 飾られた2000年生まれの子の手形足形は、海岸線10駅で計3440人に上るが、実は阿部選手のほかにもスポーツ界で活躍している人がいる。

 新長田駅にはフィギュアスケート坂本花織選手のものがあり、ハーバーランド駅にはプロゴルファーの古江彩佳、安田祐香両選手のものがある。全くの偶然で、設置した神戸市ですら4人全員を把握したのは最近だという。市交通局の担当者は「世界で活躍するスポーツ選手がこの中に4人もいるなんて、ちょっと驚きました」。

 市は海岸線が開業20周年を迎えた今年、再び2020年生まれの赤ちゃんの手形を募った。集まった1771人分は今月から5駅の壁を飾っている。担当者は「20年後、また金メダリストや有名人がこの中から出てくるかも」と期待を寄せている。(鈴木春香)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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