神戸市東灘区の病院「甲南医療センター」に勤務していた男性医師(当時26)が昨年5月に自殺し、西宮労働基準監督署が長時間労働で精神障害を発症したのが原因として、労災認定していたことが男性の遺族への取材で分かった。
医師は高島晨伍(しんご)さん。17日に記者会見を開いた病院によると、高島さんは2020年4月から研修医として働き始め、22年4月からは消化器内科の専門医をめざす「専攻医」として勤務していた。昨年5月17日夕、退勤後に神戸市内の自宅で自殺したという。
病院はその後、西宮労基署の調査を受け、第三者委員会を設置。今年1月の報告書では、高島さんが亡くなる直前の昨年4月に月197時間36分の時間外労働をしていたこと、うつ状態だったことなどが指摘されたという。長時間労働による精神障害を労災と認定する国の基準には、「発病直前の1カ月におおむね月160時間以上の時間外労働」があり、報告書の指摘はこれを大きく超えていたことになる。
ただ病院側は、197時間36分はタイムカードの打刻時間であり、知識や技能を習得するための「自己研鑽(けんさん)」の時間も含まれているため、全てが労働時間でないと主張している。高島さんが昨年4月に自己申告していた「残業時間」は、30時間30分だったという。
具英成(ぐえいせい)院長は会見で「過重な労働を付加していたという認識はない」と話した。一方で職員のメンタルヘルスの管理は不十分だったとし、改善を図っているとした。
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment