明治、大正、昭和のミナト神戸を駆けた神戸市電が廃止になって、今年で50年となる。かつて市民に親しまれた緑色の車両は、意外な行き先で「第二の人生」を送っている。
58両「須磨沖に沈めた」
神戸市立須磨海づり公園(同市須磨区)の沖合約600メートル。水深約20メートルの海底で、細長い構造物が四つ確認された。
第5管区海上保安本部の測量船「うずしお」が2006年、水中ソナーで付近の海底を調べた。うち二つは幅3・5メートル、長さ15メートル。残る二つは幅4・5メートル、長さ10・6メートル、高さは4・5~5メートルとある。「この形状と当時の記録からすると、電車の車両ではないか」。記録を見た海保の担当者は推測する。
周辺の海域では、この地点以外の3カ所にも、似たような細長い構造物が点在していたという。
神戸市交通局によると、1968~70年ごろ、廃車となった神戸市電の58両を須磨沖に沈めたとの記録がある。当時の代表的な車両は、長さ11~14メートル、幅2・4メートル、高さ3~4メートルとされる。
なぜ、市電が海の底に…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル