神社の「キツネ」盗んだ疑い 魚釣れず、さい銭も盗めず

 北九州市門司区の和布刈(めかり)神社の稲荷社に奉納されたキツネの置物を盗んだとして、福岡県警門司署は作業員の男(63)=同市小倉南区=を窃盗容疑で17日に小倉区検に書類送検した。男は近くで釣りをしたが何も釣れず、帰りに神社に立ち寄り、さい銭を盗もうとしたものの、断念。「(キツネを)持ち帰って自宅に飾りたいと思った」と容疑を認めているという。

 捜査関係者によると、男は2020年11月10日午後9時ごろ、和布刈神社の境内にある稲荷社に飾られた陶器のキツネ4個(計約6800円相当)を盗んだ疑いがある。稲荷社に飾られた2対(計8個)のキツネの置物のうち1対を自宅に持ち帰ったという。

 盗難に気付いた神主が境内の防犯カメラを確認すると、これまでも繰り返し神社を訪れていた男の姿が映っていた。盗難から2週間半後の11月28日、再び神社に現れた男を神主が見つけて問い詰めた。男が窃盗を認めたため通報した。盗まれたキツネの置物は後日、警察を通じて無事に神社に返された。

 神主によると置物は稲荷社に足しげく通う参拝者からの奉納品という。神主は「大事な思いが寄せられたもの。盗んだことを十分に反省してほしい」と話した。

 稲荷社は拝殿の脇にたたずむ小さな朱色のほこら。地元の人らが毎月掃除をして守っている。参拝者の間では「戻ってきてよかった」との声が聞かれるという。(加治隼人)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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